相談者:46歳 対象者:40歳
お母様とお姉様と池袋相談室にいらっしゃったW様はとても大人しい女性で、終始俯いていました。
有利に離婚する為の離婚相談がご希望でした。
ご主人と結婚してから15年間、中華料理店を営む義理両親と同居しずっとお店を手伝っていました。
結婚当初から姑からの風当たりは強く「家族なんだから当たり前」とお給料を渡されませんでした。
その代わりご主人は非常に優しかったので、波風を立てずに生活出来ていたのです。
やっと恵まれたお子様は現在5歳ですが、姑は全く可愛がってくれないそうです。
ご主人も子育てには消極的でした。
ご主人の様子がおかしくなったのは1年程前です。
W様が愚痴を言うと「お前は黙って働いていればいいんだよ!」と怒鳴るようになったのです。
帰宅時間はどんどん遅くなり、外泊も増え続け、今では週に2回帰って来れば良い方です。
更に、ここ数ヶ月は生活費も入れないのだそうですが、当然お姑さんには当然相談出来ません。
それどころか「あんたが嫌で帰って来ないんじゃないの?」と嫌味を言われる始末です。
おかしいと思いながらもただ日々の生活に追われ、何も考えられなくなっていたのだそうです。
ある日、久し振りに帰って来たご主人が、携帯電話をいじりながらうたた寝をしていました。
そうして、W様は恐ろしいものを見たのです。
特定の女性との膨大な数のメール
「赤ちゃんのものを用意しないとね。3人の生活が楽しみ」という文面。
W様はようやくご自分が置かれている状況を知ったのです。
そうして初めて、お母様とお姉様に相談したのだそうです。
驚いたお二人は、いますぐ荷物をまとめて実家に帰って来い!と言いました。
でも、長年の奴隷生活ですっかり正常な判断を無くしたW様は、
「そんな事をしたら店が回らないし、お義母さんに叱られる」と答えたのだそうです。
私はそのお話を聞いて、本当に悔しくなりました。
お二人はご主人の不在時にW様を救出しました。それが一昨日。
「婿から電話や脅迫まがいのメールが来るんです。
勝手に出て行ったんだから 離婚原因はお前に有るとか、慰謝料をよこせとか。
姑からは「お前の所為で損害が出たから訴える」って、実家にまで電話がかかって来るんです。
このままじゃ許せません!有利な離婚をさせたいんです!」
お姉様もお母様もとても怒っていましたが、W様は人事のようにぼんやりとなさっていました。
ご主人の浮気調査はすぐに始まり、あっという間にご報告になりました。
不貞の証拠はすぐに撮れ、二人が産婦人科へ通っている映像様子も判明しました。
愛人は1人暮らしで勤めている様子は有りませんでした。
愛人はご主人の会社の同僚で現在27歳だと、映像を見たW様は仰いました。
「この人の年賀状覚えています。大好きですって書いてありました。」
それを聞いて怒り心頭のお母様とお姉様と私・・・。W様はやはり何も言わずにいらっしゃいました。
ご紹介した弁護士先生に依頼し、財産分与や慰謝料請求(ご主人にも愛人にも)に加えて、
長年こき使われていた賞与に関しても、W様(正確にはご家族ですが)は請求されました。
W様の日記と家計簿、間違えると怒られるからと必死に記録していたお店の出納帳の下書き
も有効に使用出来たとのこと。
W様はあまり時間をかけずに有利な離婚が出来ました。
そうしてある日、W様からメールを頂いたのです。
「先生、こんにちは。離婚が成立してからもう4ヶ月ですね。
今朝、 ホットケーキをばあぁばとじぃじと子供と焼きました。すごく楽しくて美味しかったです。
お昼にお勤め時代の友達と、なんと10年ぶりに会いました。
彼女も私と同じ職場結婚で、彼女のご主人情報ですが、愛人の親が会社に乗り込んだらしいです。
結局、愛人は実家から勘当のようになっているんですって。
夫は今実家を出て愛人と結婚して暮らしているそうです。
やつれて全然幸せそうじゃない、あんな女に捕まって馬鹿だねって、皆に噂されているそうです。
姑の店はアルバイトが頻繁に変わってて、店自体の雰囲気も悪くなって味も落ちたって、
ご近所に言われているんですって。それは、ママ友がメールくれたんです。
ランチして、ショッピングして、お茶して、電車で帰る途中にメールが来て、
それで外を見たら景色が綺麗でした。
まるで霧が晴れたように視界が晴れていました。
そうしたら、急に涙が出ました。 私の15年間を返せ!って思った。
悔しくて悔しくて涙が止まりませんでした。
家に帰ったら温かいご飯が出来ていて、子供がケラケラ笑っていてじぃじが疲れてて笑えました。
私は今幸せです。あんなくだらない人達を恨んで時間を無駄にしたくない。
母と姉が私の命を救ってくれたんですね。そうして先生に会えて本当に良かった。
私、あの頃はお人形さんみたいだったでしょう。でも、やっと取り戻しましたよ。
全部、皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。」
私は、そのメールを読んでW様の見た景色を見たような気持ちになりました。
そうして、1人でもこんな女性を救いたい、いや、救っていこう そう誓ったのです。

