相談者:T様 45歳 ご主人:46歳 お子様:17歳 15歳
ご主人の口から離婚の言葉が出たのはたった1ヶ月前です。
それなのに、その日からご主人は毎晩朝帰り、毎日のように離婚を迫るメールが届き、
生活費もこれからは渡さないとの宣言。
追い討ちをかけるように昨日、離婚調停の召喚状が届いたのです。
原因は性格の不一致で、財産分与は半分、学費は出すが養育費は一人2万円しか払えない
と、一方的に言っているそうです。
川口相談室に離婚相談の為にお越しくださったT様は私の前で小刻みに震えていました。
ご主人とのお付き合いは高校j時代からで、初恋同士の結婚はもう19年にもなるのです。
人生の半分以上をご主人だけ見つめて頑張ってきたのにまさか…
T様にとっては青天の霹靂でした。
「浮気をされたら絶対に離婚だと思っていたけれど、この先の生活が不安なんです。
結局、私の中で主人に対する気持ちが残ってもいるし、だから離婚はしたくない。」
ご主人の浮気が分かったのは今まで一度もした事の無い携帯と鞄チェックをしたからです。
携帯からは何も出ませんでしたが、鞄の中には愛人からの手紙が大切に入っていました。
現状のままではご主人は永遠に離婚だと騒ぎ続けるでしょう。
T様の気持ちは無視され、今後の保障も何もないままに放り出されるかもしれないのです。
何か好条件を定時されたとしても離婚届けに印を押させる一時的なものでしかないと思います。
また、ご主人は近いうちに必ず家を出ると思われました。
ご相談者様の中にはご主人が家を出てから焦る方もいますが、それではちょっと遅いのです。
朝帰りだって何だって家に戻ってきているなら、そこが自分の居場所だと思っているのですから、
今すぐに対処しなければなりません。
優しく真面目なT様はご自分を責め、そうして、この現実に追いついてもいませんでした。
明らかに混乱していました。
私の夫への対応がまずかったのならそれを直せば・・・
愛人と別れさせたとして、その後夫の気持ちは本当に取り戻せるの?
夫が彼女をそんなに好きなら身を引いた方が・・・これ以上嫌われたくない・・・
そんな事を延々とぐるぐると考えているのでした。
「何十年も一緒にいて、今更、性格の不一もありませんよね。
でも、もう少し違う関わり方をしていればと後悔しているなら、同じ後悔をしないようにしましょう。
ご自身の気持ちに素直に、ご主人をが好きなら諦めないでね。
二人の大切な宝物であるお子さん達の為に頑張ってご主人を取り戻してあげるしかないのです。
母は強し!守りたいものがあれば人は強くなれるのです。
今のT様には安心できる確かなものが必要です。
全ての権利を手に入れた後に今後の事は一緒に考えましょうね。」
私の言葉に大きく頷き涙するT様。
ご主人の不倫調査はすぐに開始され、不貞の証拠は勿論すぐに撮れました。
愛人は若いシングルマザーで、T様は愕然となさっていました。
「他人の子供を養う為に、私の子どもが辛い目にあうなんて!!」
それからのT様は人が変わったようにきっちりと対処と主張をし、戦っていらっしゃいました。
結局、ご主人は愛人と別れることになりました。
その頃になると、T様のお気持ちは大きく変わっていたのです。
「先生、私離婚したいです。」
その言葉に私は驚きました。
「今じゃないですよ。下の子の進路が決まったら。今回、本当に色々な事を考えたし学びました。
夫からされた仕打ちが許せないとか、そんなんじゃないんです。
なんていうか・・・別の人生という選択も有るのかもしれないって、思って。
勿論、絶対にと決めている訳ではなくて、でも8割方そうなると思うんです。
子供の気持ちが最優先ですけどね。
ですからね、ここから何年経っても私の電話に出てくださいね。」
知らなくても良い辛さを知り、しなくても良い経験をしたけれど、まるで目の前が開けたような気もする
T様はご自分の心情をそう表現なさっていました。
「時間をかけてより良い、幸せな選択をなさってください。
勿論、離婚を勧めはしません。でも、T様ご自身とお子様が幸せならばそれが一番です。
勿論、私はずっと何年経ってもT様の担当カウンセラーですよ。」
私の言葉に、T様は朗らかに笑いました。

